なぜピンホールカメラの像は逆さま?光の直進性と像の関係を解説

ピンホール現象とは?基本の仕組みを解説

「ピンホール」とは「針の穴」という意味。針であけた小さな穴ということですね。紀元前の昔から、小さな穴を通った光が反対側の壁などに外の景色を写しだす“ピンホール現象”は知られていたといいます。雨戸に開いた小さな穴から入ってきた光が障子に富士山を写し出している様子を描いた浮世絵もありますよ。

 

この仕組みを利用して作られたピンホールカメラやピンホール写真は、「写真の起源」「カメラの原点」といわれます。ただし、初期のものは撮影する機能はなく、画像を写しだすだけでした。次第に改良されて、「カメラ・オブスキュラ」と呼ばれ、ヨーロッパの画家たちが写生をするために使ったそうです。

 

ピンホールカメラはなぜ穴があいているだけで写るの?

みなさんがお持ちのカメラには「レンズ」がついていると思いますが、「ピンホールカメラ」にはレンズはありません。ただ、穴があいているだけなんです。それでなぜ写るのでしょうか?

まず、わたしたちが何かものを見るとき、実はそれを直接見ているのではなく、ものが発する光や、ものに反射した光を見ています。例えば、屋外に立っている人(被写体)を見るとき、光は人や木に到達した後、いろいろな方向に反射しています。

でも、下の絵のように、ピンホールを通った光だけは、「光の直進性」という性質によって、そのまままっすぐ壁へ直進し、壁に当たって外の景色を写し出します。

この時、このまっすぐな光線はピンホールを始点にして、被写体の上に反射した光はピンホールを通して下の方向に届き、被写体の下に反射した光はピンホールを通して上の方向に届きます。そのため、ピンホールを通って写し出される像は、実際とは上下が逆になるのです。これがピンホールで像を写し出す仕組みです。

この像が写し出される壁が、フィルムカメラであればフィルム、デジタルカメラであればセンサーなどになり、像を写しとった「写真」としてカタチになるのです。

(監修:サイエンス倶楽部

 

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