フィルムってなに?ピンホールカメラでためそう!フィルム写真の原理と色のひみつ  ピンホールカメラの基本Part.2

なぜ写真が写り、色が付くの?フィルムの仕組みを銀の粒と光の三原色からやさしく解説します。親子で楽しく学び、夏休みの自由研究にも最適!

黒白フィルム(モノクロフィルム) 

図1 モノクロ写真

黒白写真は、いったいどんなふうにして絵ができるのでしょうか?実は、指輪やネックレスなどにつかわれる「銀」のとても小さいつぶが点となって絵が作られているのです。銀は水道水やプールの水の消毒につかわれている「塩素」やデンプンにかけると青むらさき色になる「ヨウ素」などとむすびつけると(これを「ハロゲン化」とよびます)光を感じる(感光)性質をもつようになります。光を感じたハロゲン化銀に、「現像(げんぞう)」というもとの銀へもどす処理をすると、目に見える絵になります。では、銀のつぶは、いったいフィルムのどこにあるのでしょうか?

図2 黒白フィルム

銀のつぶは、そのままではフィルムにのせられないので、ゼリーの材料となっている「ゼラチン」とまぜて、フィルムの上にぬられています。ちょうど「つぶ入りゼリー」がプラスチックのお皿にのっているようなものです。

 

カラーネガフィルム

図3 カラー写真

みなさんが普段つかっているフィルムは、ほとんどが「カラーネガフィルム」とよばれているものです。このフィルムはいったいどのような仕組みなのでしょうか?
これがカラーネガフィルムです。なんだかへんな色をしていますね。

図4 カラーネガフィルム

みなさんが普段目にしている「光」を大きくわけると、ブルー(青色)、グリーン(緑色)、レッド(赤色)の3つにわけることができます。3つの色を同じ量でかさねると白色の光ができます。これを「光の三原色(さんげんしょく)」とよび、カラーテレビがこの原理をつかっています。
「光の三原色」のうち、赤が足りないときは緑と青でできるシアンを足すと白に戻ります。こうした反対の色を補色とよび、イエロー(黄色)、マゼンタ(あかむらさき色)、シアン(あおみどり色)の3つになります。これを「色の三原色(さんげんしょく)」とよび、カラー印刷でこの原理をつかっています。これらは光を吸い取り、三つを濃く混ぜると黒に近づきます。光は足し算、色は引き算で色が変わるのです。補色どうしを並べると目立つことも覚えておくと便利です。

図5 光の三原色と色の三原色

この2つの原理を組み合わせて、みなさんが目にするカラー写真はつくられています。まず、光を感じて絵をつくるときには黒白写真のときと同じように銀をつかっています。ただし「光の三原色」の原理によって、ブルー、グリーン、レッドの三色のうち、それぞれの色にのみ反応する銀入りゼラチンが「3階建て」のようにかさなっています。そして絵をつくるためにつかわれた銀を「色素」というものにおきかえます。このとき、色素を「補色」となるイエロー・マゼンタ・シアンにすることで「ネガフィルム」となります。みなさんが写したネガをみたときに、へんな色になっているのはこれです。このネガを黒白写真と同じように、もういちど銀入りゼラチンが「3階建て」となった「カラー印画紙」に写すとみなさんが実際にみていた元の色と同じになるのです。


インスタントフィルム

図5 インスタントフィルム(instax mini)

「撮ったその場で写真を見たい!」――そんな願いをかなえるのがインスタント写真です。「ポラロイド」や「チェキ」に代表され、撮った直後に写真プリントが出てくるしくみが特徴です。

仕組みそのものはカラーネガフィルムとほぼ同じで、感光する部分が3層になっています。(図6)

図6 インスタントフィルムの構造

大きく違うところは、現像液がフィルムの中に最初から入っているところです。シャッターを切ったあと、フィルムがカメラのローラーを通ると、小さな袋(チェキの余白の部分)に閉じこめられていた現像液が押しつぶされ、感光部全体に広がります。この液が銀を現像し、さらに像を受像部へと拡散転写させて写真プリントが完成します。

まとめ

黒白フィルムは、銀のつぶを現像して絵を作る。
カラーネガフィルムは、銀を使って作った絵を三原色の色素に置きかえた反転像。
インスタントフィルムは、フィルムの余白に入っている現像液によって撮影直後に写真ができあがる。

これらの仕組みを理解すると、ピンホールカメラで撮影する楽しみがグッと広がります。ぜひフィルムの不思議を体験してみてください!

(監修:サイエンス倶楽部

 

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